Dr.トミーのビッグスマイル諫早 2021

2021年 12月30日

日本人の死因で増加している原因

日本人の死因で増加しているのは肺炎です。
特に高齢者の方は誤嚥性肺炎が多いです。

誤嚥性肺炎を起こす原因として脳血管障害とお口の中の常在菌によるものがあります。普通はお口の中の常在菌は免疫力で抑えますが、高齢者の方は免疫力が弱く金額増殖します。

定期的にケアをしている方よりも、ケアをしていない方の方が誤嚥性肺炎を起こしやすいです。


外科手術の際には糸を縫う

抜歯を行った時、糖尿病や心筋梗塞などの全身疾患のある患者さんには糸を縫って止血をすることが安心です。
逆に縫いすぎるとそこに血が溜まり過ぎてしまうこともあります。
糸を縫う際、しっかり縫うか、少しルーズに縫うこともあります。

切り方もきれいに、縫い方もきれいに行う必要があります。
糸の結び方も様々あります。
縫う回数は3回ぐらいですが、4回縫うのが安定します。


鼻呼吸の大切さ

口で呼吸をするとお口の中の細菌が増えます。

1日あたりの唾液の分泌量は約1リットルから1.5リットルぐらいです。
鼻腔からの水分の分泌量は1000ミリリットルぐらいです。
嗅覚には水分が必要です。

肺は乾燥に弱いです。
鼻とか口が乾燥していると咽頭部分も乾燥します。
鼻呼吸は鼻の中の湿気のバリアが働き乾燥が起こりにくくなります。
鼻は天然のマスクです。


インフルエンザも流行してきますよ パート1

当院では介護施設で口腔ケアを行っております。
インフルエンザと口腔ケアの関係性についてお話します。
専門的な口腔ケアと受けている人とそうでない人が、インフルエンザに感染する割合は、専門的な口腔ケアを受けていない人が10倍高いです。

インフルエンザはせきやくしゃみによって感染します。
ですからマスクはとても大切です。



2021年 11月29日

なぜ飛行機に乗った時に虫歯が痛くなるのか パート1

飛行機に乗る方も増えてきたと思います。
飛行機に乗った時に虫歯が痛くなるのは、気圧の影響なんです。
歯も圧力の影響で痛みを感じます。
歯髄が化膿していた場合、痛みがものすごく出ます。

宇宙船の搭乗者でも虫歯があると、宇宙船の中の気圧が低いので歯が痛くなります。
地上の気圧は1013ヘクトパスカルですが、飛行機が水平だと810ヘクトパスカルで、約20%ぐらい気圧が低くなります。


なぜ飛行機に乗った時に虫歯が痛くなるのか パート2

地上の気圧に比べて、飛行機の中は気圧が低いので歯が痛くなるというお話をしました。
スキューバダイビングでも、水圧の影響で歯が痛くなることがあります。

宇宙飛行士は虫歯があるとなれませんが、総入れ歯ならなれるでしょうか?
答えはなれません。
総入れ歯が壊れたら食事ができないし、明確な発音ができないためです。
歯周病が中等度以上だと宇宙飛行士になれません。
もし宇宙で歯が痛くなったら、他の宇宙飛行士が歯を抜きます。

口は食べ物の入口で鼻は空気の入口 パート1

病気をしやすい方は口呼吸の方が多いです。
口から入った汚れた空気が直接体の中に入り、扁桃にあたると免疫の過剰反応が起こり、病巣感染の原因となります。

口呼吸する方はお口の中が乾燥しており、菌が繁殖しやすくなります。
口は食べるため、鼻は息するためのものです。
タバコを吸う方は口呼吸が多いです。
口呼吸するお子さんも増えています。その子達は集中力がなくなることがありますのでご注意ください。


口は食べ物の入口で鼻は空気の入口 パート2

口で息をすることは、鼻でご飯を食べることと同じようなものです。
口は命の入口であって、病の入口でもあります。

口呼吸の弊害として、歯列不正、口臭、虫歯、歯周病、などがあります。

口呼吸が酷いとうつ病の原因にもなります。
鼻呼吸は口の中が潤い、健康状態を保てます。
口呼吸は舌の位置が低く、下顎が引いている状態です。
正確な筋肉の位置が確保できず、頭痛が酷くなったりします。
また、腸の疾患にも繋がりますので知っておいてください。


2021年 10月29日

小児の歯の奇形について パート1

お子さんの歯の形や歯の大きさが何か変だな、と思うお母さん方も多いと思います。
小児の歯の奇形について、8種類を3回に分けてお話します。

(1)矮小歯
上の前歯の2番目(側切歯)が円錐型をしています。
乳歯においては下顎の入側切歯が多いです。
乳犬歯にも多いです。

(2)歯内歯
歯冠部の一部が表層のエナメル質を伴って、歯の神経のところに陥入している、繋がっている状態です。歯髄が死んでしまって抜歯に至ることもあります。

(3)タウロドント
短足な歯で、神経のところが大きく、第一乳臼歯(後ろから2番目)に多いです。


小児の歯の奇形について パート2

前回お伝えした歯内歯は抜歯に至ることが多いというお話をしました。
悪化しないように歯医者へは定期健診に行くことをおすすめします。

(1)カラベリー結節
上顎の大臼歯、乳歯に関しても上の奥歯の内側にお山みたいに歯が大きい箇所があることがあります。内側だけでなく外側にもあることがあります。
非常にブラッシングしにくい箇所で虫歯になりやすいです。

(2)プロトスタイリッド
上顎にあるカラベリー結節に対して、下顎の奥歯の内側についているものです。

(3)巨大歯
歯冠、歯根が大きい人が稀にいます。
舌が置きにくいことがあります。


小児の歯の奇形について パート3

(1)切歯結節
上の前歯の裏側に尖っているものがあります。
下の歯と噛み合わせた時にへこんでしまうことがありますので注意してください。

(2)ハッチンソン歯
先天性の梅毒の原因による形態異常です。
先端が半月状にへこんでいたり、全体的に歯が丸くなっていることがあります。

これまで8種類の歯の奇形についてお話してきましたが、原因が分かるのはハッチンソン歯です。他の歯の奇形については原因が不明です。
歯科医院での定期健診をおすすめします。


舌小帯の異常

小帯というのはいろんなところに存在しています。
上唇小帯と言って上唇と前歯のところにもあります。
上下額のほっぺた側にも頬小帯がついています。

舌小帯とは舌の裏側にあります。
舌を前に出すとハート型になる子が多いです。
哺乳障害、咀嚼障害、飲み込み障害、発音障害、などの障害を起こしてしまいます。
口を開けて、舌を上の前歯の裏側につけようとしてもつきません。
オペとしては4歳~5歳が最も適用とされています。
オペの後は舌の運動訓練、発音訓練が大切です。


2021年 9月27日

歯周病菌が血管に悪さを起こしてしまう

歯周病菌が起こす体への悪さというのは様々な点であります。

心筋梗塞、脳梗塞を起こした方がお口のケアをしっかりできていないことが多いという報告があります。
歯周病菌により動脈硬化を起こしてしまうことがあります。
血管の中にアテロームプラークと言って、脂肪が血管の中にドロドロいる状態になります。
血液が血管の中を通りにくくします。

歯周病と同様に動脈硬化も無症状で侵攻します。
ですから突然倒れてしまうということがあります。

動脈硬化にも歯周病菌が関わってきます。


早産、低体重児の出産に起こる原因

一般的に早産で考えられるのは、高齢、喫煙、飲酒などが原因とされています。
早産とは妊娠の22週から36週6日までの間の出産のことを言います。
低体重児は2500g未満のことです。

早産の出産は命の危険があります。
危険因子として歯周病菌があるというのが各種調査で明らかになっています。
歯周病菌が多い妊婦の方の羊水、胎盤組織から歯周病菌であるPG菌が検出されることが報告されています。


関節リウマチと歯周病との関係性 パート1

関節リウマチとは自己免疫疾患の一つで、関節の滑膜という部分に炎症を起こします。
関節リウマチの方はそうでない方と比べて、歯周ポケットの深さが1.7倍で、歯周病菌が増加しやすい状態です。
また歯の喪失については2.38倍です。

関節リウマチは遺伝も関係しますが、喫煙が発症と悪化の要因となります。
関節リウマチと歯周病は相関がある可能性が高いです。


関節リウマチと歯周病との関係性 パート2

関節リウマチと歯周病との関係性、喫煙、遺伝子、双方と可能性について前回お話しました。
関節リウマチが重症化すると、歯ブラシを持てなくなりプラークコントロールが困難になります。
関節リウマチ治療薬で免疫力が低下して歯周病が併発しやすくなります。
一方で歯周病治療を行うことによって、関節リウマチの病状が改善してきたという報告もあります。
定期的にケアしておくことが大切です。


慢性腎臓病と歯周病の関係について パート1

今回は慢性腎臓病と歯周病の関係性についてお話をしていきます。
腎臓は血液中の老廃物を除去するとともに、体に必要な成分は残します。

腎臓の機能が低下していく病気が慢性腎臓病です。
人工透析をしている患者さんは日本に1300万人いる国民病です。

歯周病の重症度と腎臓の機能低下が関わっているという報告があります。
また、歯周病が慢性腎臓病を悪化することも示されています。
つまり、慢性腎臓病も糖尿病も歯周病と双方向の関係があります。


2021年 8月27日

歯医者に行って子供がなぜ泣くのか パート1

子供が歯科医院でなぜ泣くのでしょうかか?
歯が痛いから?怖いから?

4つの原因があります。
(1)不安・恐怖で泣く
(2)虫歯が酷くなって痛み泣く
(3)甘えて泣く
(4)苦しくて泣く

よく泣いてしまう子供は4歳未満が多いです。


歯医者に行って子供がなぜ泣くのか パート2

1歳~2歳ぐらいまではどんなスタイルで対応するかがとても大切です。
椅子に子供だけ座らせると泣いてしまいます。
お母さんと一緒に座ってあげて、歯科医師の膝の方へ頭を向けることを、小児歯科ではニートゥーニー(膝と膝を合わせる)と言います。

その間も子供を笑わせてあげながら治療することが大切です。
そうすると不安がなくなり、次回来院の際に笑いながら来たりします。


歯医者に行って子供がなぜ泣くのか パート3

今回は待合室でのタイミングでなぜ泣いてしまうか、ということについて8つのお話をしていきます。

(1)歯磨きだけでも大変
(2)甘え泣き
(3)初めて来た待合室の雰囲気
(4)保護者の不安の伝染
(5)診療室から泣き声が聞こえる
(6)以前病院などで嫌な思いをした
(7)家庭で歯医者での嫌な話を聞いた
(8)これから何をされるか分からない不安

子供たちの気持ちを先読みしてあげることが大切です。
私は待合室に行くことが多いです。
そこで子供に優しく声をかけるようにしています。


歯医者に行って子供がなぜ泣くのか パート4

子供が泣かずに治療するためにお母さんはどうしたらいいか、ということをお話していきます。

来院前にはプラスの言葉を子供に使っていただきたいです。
「悪い虫歯を歯医者さんでやっつけてもらおう、エイエイオー」
「歯をきれいにしてもらおうね」
「歯を白くしてもらおうね」
こういった言葉を来院前に使うことで子供の不安が少なくなります。

治療後は、
「頑張ったね」
「上手にできたね」
「お父さんにも言ってあげるね、褒めてくれるよ」
こういった言葉をかけてあげてください。

また、汗をかいている場合は着替えさせる、治療前にトイレに行かせてあげる、などするとそれだけでも安心できます。


2021年 7月28日

宇宙で歯磨きの後うがいはできるのか

宇宙では重力がなく血液が上に上るので顔がむくみます。
身長も4,5cm伸びます。

宇宙ではガラガラうがいはできません。
歯磨きした後、吐き出せないので飲み込むか、ティッシュに吸わせて処置をします。

血液が上部に上ってきやすく歯茎も腫れやすいので、入念に歯茎のマッサージを行うそうです。


唾液の力

健康な人の1日の唾液の分泌量は1~1.5リットルです。
今日は8つの項目についてお話をします。

(1)消化作用
唾液の酵素でデンプンを分解して体内に取り込みます

(2)抗菌作用
最近の増殖を抑えます

(3)粘膜保護作用
唾液の成分であるムチンが喉や食道を傷つけなくします

(4)食塊形成作用
食べ物を飲み込みやすい塊にします

(5)ph緩衝作用
食べ物の多くは酸性です。酸性に傾いたお口の中を中和させようとします

(6)粘膜修復作用
粘膜を早く治す力があります

(7)再石灰化作用
歯の面を修復しやすくします

(8)潤滑作用
発音や発生をスムーズにさせます


小児期に注意しないといけない虫歯について パート1

小児期による虫歯(専門的にはう蝕と言います)は増加していますでしょうか?
実際は減少してきています。
しかし現在は二極化しており、重症の虫歯の子供はむしろ増加しています。

原因は家庭環境によります。
歯科医師としては虫歯が減少している時代の中、重症化している虫歯の子供の背景をしっかり把握する必要があります。
生活習慣を改善へと導くために保護者の方とのコミュニケーションが大切です。


小児期に注意しないといけない虫歯について パート2

虫歯の菌として、ミュータンスレンサ球菌があります。
唾液を介して育児従事者から子供に移ります。
育児従事者の口の中にミュータンスレンサ球菌が多いと、子供の口からも検出されることが多いです。

生まれたばかりの子供の口の中にはミュータンスレンサ球菌はありません。
下の前歯が生えてきた途端、歯の表面に定着してきます。
口腔内の細菌層は3歳ぐらいまでに確立します。

特にお母さんはお口の中のケアをしっかり行ってください。


虫歯を起こしてしまう飲料水

1970年代は虫歯だらけの時代でした。
子供が寝るときに哺乳瓶をくわえたまま寝かせることも多かったと思います。
寝ている間に唾液の分泌量も減り、虫歯の菌も乳酸菌のおかげで増殖します。

1990年代、同様に虫歯の多い時代でした。
イオン飲料水を哺乳瓶の中に入れて子供に飲ませることが多かったです。
500mlに角砂糖10個分ほど入っています。


2021年 6月30日

小児の歯の外傷

小児の歯の外傷は年齢による差があります。
乳歯では陥入、挺出、転移、などの脱臼があります。
永久歯の場合は脱臼よりも破折が多いです。
乳歯では陥入の頻度が高いです。
女の子に比べて男の子は2倍多く、自傷原因は乳歯では転倒が一番多く、衝突や転落が続きます。
永久歯の自傷原因については次回以降お話します。


小児の歯の脱臼(亜脱臼)について

乳歯の外傷の原因は転倒が最も多く、衝突や転落が続きます。
3歳児以降は衝突が多くなっていきます。足腰もしっかりして活発になってくるためです。
乳歯から永久歯に変わる時期、やはり衝突が増えてきます。
次回は怪我の頻度の高い部位についてお話をしていきます。


乳歯・永久歯の怪我をする部位はどこなのか

乳歯では上の前歯の損傷が73%と圧倒的に多いです。
奥歯も損傷することがありますが、交通事故が主な原因です。
永久歯の怪我の部位も上の前歯が75%です。
乳歯よりも永久歯の方が怪我の割合が増加します。
次回その点についてお話致します。


乳歯よりも永久歯の怪我の割合が高い訳

乳歯も永久歯も上の前歯が損傷する割合が高いです。
下の前歯の怪我も乳歯よりも永久歯の方が多いです。

小学校、中学校に入るとスポーツ・クラブ活動などで球技をする機会が増えます。
球技で怪我する時はは乳歯の怪我と比べて多様化します。


成長期の反対咬合の問題点について

反対咬合、下顎前突とも言いますが、問題点についてお話していきます。
下顎が出ていると発音が上手くできないケースがあります。
特にサ行の発音がしづらくなります。
原因として以下の3点があります。

・口呼吸している
・舌が上顎につかない(低位舌)
・上下の唇が閉じていない



2021年 5月28日

小児の歯ブラシによる損傷

歯ブラシだけでなくアイスクリームの棒で損傷してしまうケースもあります。
歯ブラシをくわえたまま転倒してしまうと口の中を損傷してしまいます。
粘膜と骨との間に突き刺さってしまうことがあります。
穴が開くと空気が混入してしまうこともあります。
CTやMRIで問題なければ空気を少し抜いて縫合して、抗生物質を処方します。

奥まで刺さってしまった場合、意識障害を起こすこともあります。
場所はどこに刺さってしまったか確認してください。


歯肉の炎症によって毒性の物質が体を巡る

歯茎には毛細血管がいっぱい張り巡らされています。
これが全身の血管に繋がっています。

歯肉が炎症を起こすと多種類の炎症物質が作られます。
これらの炎症物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり、未熟児が生まれたり、肥満を促進させたりします。
さらに血管の動脈硬化を引き起こす働きもあります。
炎症物質が歯肉の血管から入り込んで血流を通じて各臓器にたどり着くことが分かっています。

歯周病菌にはPg菌というとても悪い菌がいます。
アルツハイマーや認知症の悪化を引き起こします。
歯周病のケアを心掛けていただきたいと思います。


歯周病菌による全身への影響

歯周病菌の中には、Pg菌という悪い病原菌が3種類ほど存在します。
高齢者の方は誤嚥によって気管支から肺にたどり着く場合があります。
これが多くの高齢者の死亡原因である誤嚥性肺炎の原因です。

歯原性菌血症といって歯周病の病変部とか虫歯で歯の神経が感染して根っこの先に病気があって、それを放置して血管に入り込んで発熱が起こったりします。

歯周病菌というのは幼い時からいますが、それが低病原菌から高病原菌になっていきます。
喫煙や歯磨きをきちんとしないことなどが原因ですのでご注意ください。


糖尿病があると歯周病が悪化、重度の歯周病があると糖尿病が悪くなる

歯周病があると糖尿病が悪化します。
糖尿病があると歯周病が悪化します。
相関関係があります。

歯周病は網膜症、腎臓病、神経障害などの合併症とともに糖尿病の6番目の合併症の原因とされています。太っていると歯周病菌も増加しやすくなりますのでご注意ください。


2021年 4月30日

中心結節について

歯が生え変わるのが著しいのは小学生の時です。
その時に歯医者に定期的に検診に行かずに、これまで歯並びも良くて虫歯も無かったのに、急に歯がずきずきすることがあります。
小臼歯の表面に中心結節はあります。
結節とは突起のことで、中心結節が折れてしまうと神経と繋がっていることがあり、歯髄に炎症が起こることがあります。

お子さんの中心結節を見てあげてください。


中心結節の治療について

中心結節とは小臼歯の表面にある突起のことで、中心結節が折れてしまうと歯髄炎が起こることがある、というお話をしました。

中心結節が折れないために、周りにコンポジットという白いプラスチックの材料を詰める予防があります。
噛んだ時に力が分散して中心結節が折れにくくなります。
少しずつすり減って、多少の刺激で歯髄の上部にエナメル質の中に象牙質という柔らかいものができてきます。
それにより歯髄の上部がカバーできるようになり、歯髄炎が起こりにくくなってきます。

詰め物が取れてしまうことがありますので、定期的に歯科医院で診てもらうことが大切です。


外傷による軟組織の損傷について パート1

小児の外傷において考えられることは、交通事故やスポーツによる外傷があります。
小児が口の中の粘膜、唇、歯茎の損傷する原因の多くは転倒によるものです。

小児が外傷した時の状況を小児本人から聞くことは困難です。
ご家族の方には、怪我した時から来院するまでの状況の変化をよく見て把握していただきたいと思います。


外傷による軟組織の損傷について パート2

お子さんが怪我をしてから来院するまでの間に、軟組織と骨との空間に血液が溜まりだしてお子さんの口がパンパンに腫れるということもあります。筋肉組織まで損傷があったり骨折がある場合は口腔外科施設への依頼が必要となります。
口の中の奥のところに何かが刺さった場合、頭蓋底まで到達して、空気が入り込んだりする場合もありますので、CTやMRIでの検査が必要となります。

家の中で怪我をするか、外で怪我をするかでも違います。
屋外で怪我をした場合は感染症のリスクを考える必要があります。


2021年 3月30日

上顎前歯の外傷歯の再植について

上の前歯の怪我した歯を移植しなおすということです。
ボールが顔に当たって上の前歯が折れてしまうようなことを外傷歯と言います。
まずその日のうちはグラグラしているので、隣通しの歯とくっつけることができます。
それと歯の神経の治療である根管治療を行います。
折れた部分が大きいと根幹治療の後、抜歯します。
その後抜いた歯を180度回転させて入れます。
被せ物をするときにその方が安定することがあります。

再植して動きが安定するには約3ヶ月ぐらいかかります。
早い場合、上の前歯は1ヶ月程度で安定することがあります。
その後、土台を作って被せ物の型取りを行います。



歯周病になりやすい人はどんな人か

歯周病によって基礎疾患である糖尿病や高血圧が悪化してしまいます。

歯周病になりやすい人はタバコを吸う方、2型糖尿病の方です。
プラークなどの直接的な原因を除いて最大の危険因子と言われているのがタバコです。

非喫煙者と比べて喫煙者が歯周炎を発症する率は2.8倍です。
喫煙本数が多い程症状は重くなります。
歯周基本治療の後、再治療をされる方が喫煙者ので42.8%、非喫煙者で11.5%です。
糖尿病の患者様で歯周炎が侵攻しだすと、血糖コントロールが上手くいかず悪化するという相互関係が明らかになっています。

歯科医院での歯周病対策を定期的に行っていただきたいと思います。



口は万病のもと

歯周病は慢性の炎症です。
持続的に炎症をかかえており、痛みもなく侵攻します。
歯周病の怖いところは口の中だけにとどまらず、全身の病気の発症の悪化の原因のひとつとされており、最近ではは歯科医師だけではなく内科医師との相互関係で研究がされています。

歯周病の慢性炎症の大きさのは、手のひら大の炎症が常に起こったまま生活をしていると言われています。

中等度の歯周病の歯肉の炎症の総面積を計算すると、72平方センチメートルと算出されます。
歯周病をそのまま放置して何か影響があった時、痛みがお口全体に広がります。



歯牙腫について

小学校のお子さんによく起こる腫瘍についてお話をします。
腫瘍の原因として歯並びの不正、上唇小帯の影響も考えられます。
レントゲンを確認すると歯の間に、出来損ないの歯が何本か集中している場合があります。
これを歯牙腫と言います。

歯牙腫には複雑型と集合型があります。
集合型は歯の形がある程度できています。
複雑型は正常の歯の形態をとらずに不正な形で不規則に増殖しています。
歯並びの原因にもなりますので、歯牙腫は取らないといけませんが、全身麻酔が必要なこともあります。



2021年 2月26日

永久歯の移植について パート1

第2小臼歯といって前から5番目の歯が先天的に無い子がいます。
乳歯を抜いた後、永久歯が無いですから、あまりの歯である親知らずを移植します。
11歳ぐらいでは親知らずの根っこが半分ぐらいしかできていませんので、もう少し歯根ができるのを待ちます。
移植するのは18歳~19歳ぐらいになることが多いです。
それまではバンドループといって金属の輪で他の歯が寄ってこないように移植するスペースを維持するようにします。



永久歯の移植について パート2

歯の根っこの成長具合を確認した上で移植をする、というお話を前回しました。
4/5ぐらい根っこができてきて移植すると神経が生きる場合があります。
神経が生きているかどうか半年後ぐらいに電気歯髄診をして確認します。

移植した後、噛み合わせも合わせる必要があります。
被せ物を入れて上下でしっかり噛めるようにします。
術後、喫煙によって悪化することもありますのでご注意ください。



歯周病が悪化するには抵抗力や生活環境の影響が大きい

歯周病というのは口の中の細菌の攻撃力が強い、患者さんの抵抗力が弱い、喫煙などの生活習慣、という3つが絡み合って起きると言われています。口の中の細菌についてはプラークが多いと歯周病は悪化します。
プラークが蓄積していなくても免疫力が下がっていると歯周病は悪化します。
睡眠不足が続いたりすると歯周病が悪化することがあります。
喫煙などされると歯周病の治療が中々改善しません。



誤嚥性肺炎について

高齢になると肺炎になる確率は上がり、その8割~9割は誤嚥性肺炎で亡くなります。
歯周病菌によって誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。
加齢による筋力の減少(サルコペニア)し嚥下機能、呼吸機能が低下します。

口腔機能低下を防ぐために「あいうべ体操」をおすすめしています。
当院が関わっている介護施設ではあいうべ体操に加えて口腔内の清掃もきちんと行っており、誤嚥性肺炎で亡くなる方はゼロです。



2021年 1月28日

災害時の入れ歯の方の口腔ケア

一番注意して欲しいのは入れ歯を入れた高齢者の方です。
非難したところで入れ歯を外すのは恥ずかしいと思うことがあると思います。
そうなると入れ歯を外す回数が減ってお口の中の細菌が増殖します。
そうすると誤嚥性肺炎を起こしてしまって亡くなってしまうことがあります。

できるだけ毎食後外して、洗浄剤につけることが必要です。
避難グッズの中に洗浄剤を入れておいていただきたいと思います。
もし洗浄剤が無い場合、洗口液をブラシと併用して歯と入れ歯をできるだけ清掃して欲しいと思います。



重い歯周病の人が増えている

ここ4,5年の間いに歯周病の症状が進んだ人が増えています。
2016年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、歯周ポケットの正常値は3mm未満ですが、4mm以上の方がどの年代でも過去最高になっています。

ドラッグストアでは歯周病ケアのグッズが並んでいます。
歯周病は何が怖いのか?ということに対して「何だろう?」と思う方が多いと思います。
歯周病は歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい、歯を失う原因になります。
特に糖尿病を持っている方は歯周病が悪化しますので注意してください。
痛みなどがあまりなく進行しますので歯周病はsilent diseaseと言われます。


見えないところで悪さを始める歯周病菌

歯周病というのは歯を支える周りの組織に生じる病気です。
歯の周りの組織は歯茎の中に存在します。
歯周病菌の多くは、空気を嫌う菌で嫌気性細菌と言いますが、菌の表面にはネバネバした黄白色の粘着質であるデンタルプラークが発生します。
時間とともにプラークが多くなると歯周組織を破壊していきます。
歯茎の中の歯周組織である歯根膜や歯槽骨を破壊して広がっていきます。

まずは日常の口腔ケアが一番大事になります。



歯肉と細菌との戦いの場

プラークの中の歯周病菌は歯肉に攻撃をしかけます。
そうすると体は菌をやっつけようとします。
歯周病菌の中でも病原性のある菌を撃退する働きをするのが白血球です。
毛細血管を通じて菌の溜まっている病巣に送られてきます。
歯茎は戦場として歯周病菌と白血球がすさまじい戦いが行われます。

歯周病菌が進行すると歯茎だけでなく骨も減ってきます。
そうなると建物としては倒れてきます。
歯周病菌はお口の中全体に広がりやすい傾向にありますので、1つの建物だけでなく全体的に倒れやすくなってきます。

歯周病菌について

歯を失う原因の第1位は歯周病です。
まだまだみなさんにご理解いただけていない可能性があります。
歯周病菌はお口の中に常在菌として、共存しています。
歯周病は痛みもなく炎症を起こして、歯の周りの歯槽骨などが無くなっていきます。

歯を失う約4割が歯周病です。
虫歯が第1位と思われていますが虫歯は第2位です。

50代ぐらいから歯を失って部分入れ歯やインプラントを入れる方が増えてきます。
それまで長い間、歯科医院から遠ざかっている方が多いです。
定期検診をして1本でも歯を残せるようにしてほしいと思います。
ご家庭でもセルフチェックとして口臭のチェックをしてください。