Dr.トミーのビッグスマイル諫早2016

2016年 5月2日

日本の3大死因(前編)

2010年以前ぐらいの調査結果

1位:悪性新生物(がん)
2位:心疾患
3位:脳血管障害

2012年の調査結果
1位:悪性新生物(がん)[28.5%]
2位:心疾患 [15.5%]
3位:肺炎 [10%]

以前の脳血管障害よりも肺炎が上回っています。肺炎の中でも高齢者の方の場合、誤嚥性肺炎と言って歯周病菌が関わっていることが分かってきました。その点を次回お話したいと思います。

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日本の3大死因(中編-誤嚥性肺炎について)

肺炎がお口の中のケアと関係してきます、というお話を前回致しました。肺炎の60%~80%は誤嚥性肺炎です。口腔ケアを行うことによって、高齢者の肺炎の発症率を40%低下した、という報告があります。この報告をきっかけに口腔ケアの重要性が見直されてきていますが、まだまだ誤嚥性肺炎がいまだに多いというのが現状です。肺炎予防のためにもお口の中のケアには気を使ってみてください。

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日本の3大死因(後編-医療費について)

肺炎による入院日数は、ほぼ20日、医療費としては約53万円かかります。肺炎の程度が重度の方の医療費は約85万円。この数字に肺炎による死亡者数をかけると4560億円の医療費が支出されていることになります。前回口腔ケアで肺炎の発症率を40%低下したという報告があったというお話をしましたが、これを考慮すると1820億円の医療費の削減ができます。歯ブラシ1本は200円ほどでしょうか。入院されることを考えれば歯ブラシ1本で出来るケアをきちんとやっていただきたいと思います。1日1回歯磨きを増やすことで1.7%心疾患が減ると言われています

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歯周病と免疫力

歯周病菌には日本人の8割から9割がかかっています。歯周病菌が発症しないように抑えているのが免疫力です。血液中にある白血球が感染させまいと戦っています。歯周病菌が停滞してくると、マクロファージというものが白血球の中でも炎症しているところを食べようとします。これにより血管が拡張して出血が起こります。マクロファージが働いた後、顆粒球というのが出てきます。これがさらに炎症が続くと歯茎から膿が出てきます。さらに重度の方の場合にリンパ球というものが出てきて歯周病菌と戦おうとしますが、このリンパ球は歯周病菌だけでなく歯を守っている骨まで破壊してしまいます。歯肉炎からリンパ球が出てきた場合には歯周炎といって骨まで溶けてしまいますので知っておいてください。

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矯正について(前編)

お母さんがお子さんの歯並びについて気付かれるのが乳歯から永久歯に生え替わったときです。歯並びを直すか直さないかは自由ですが、直さないとした時に歯科医院では何をしているかお話したいと思います。直さないけども、歯並びが悪くなるかもしれないから経過だけ見ておいてください、というお母さんがいらっしゃいます。小学校3年生から5年生ぐらいの時、乳歯を少し削ってあげて永久歯が生えるスペースを作ってあげることができます。そうすることでなるべく悪化させないようにできますが、完全には良くなりません。本格的に矯正には踏み込みませんのでワイヤー等は使いませんので、良くはなりません。

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矯正について(中編)

矯正治療を早くからするのか後からするのか2通りあります。今回は後で治療する場合のお話をします。小学校の時に歯並びが悪くても何もしません、もしくは経過観察をします。予防などはある程度対応することはありますが全体的には後で対応しよう、ということでこれが昔の主流だった方法です。特に下顎が出ているお子さんの場合は注意が必要です。中学生になっても下顎が伸びます。成長期を超えると後戻りと言って元の歯並びに戻ってしまうことがあります。上の歯が出っ歯になっているとか、歯並びが乱れている場合などはいっぺんに直すことはできるのですが、後戻りが無いように保定といってワイヤーを内側に付けたり、マウスピースタイプの透明なものを一定期間付けることが必要になったりします。後で治療することの利点は通院期間が短いことですが、欠点としては症状が悪化してしまうことがあることです。

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矯正について(後編)

今回は早くからする矯正の治療法についてです。顎の骨が柔らかい時期、小学校1年生から小学校3年生ぐらいまでに、顎を広げたりうけ口を直すということが必要です。歯の位置を直すのではなく骨を機能的に直すことが必要です。小学校3年生までの間に前歯をできるだけきれいにしておくことが必要です。小学校3年生から5年生にかけて経過を見ます。そうすると奥の歯が生えてきます。最終的には八重歯が生えてきます。ここがきちんと生えるようにするのが仕上げの治療で、小学校6年生から中学校2年生ぐらいです。歯は元あった位置に戻ろうすることがありますので、やはり保定が必要です。利点はとても良くなります。欠点としては通院期間が長くなります。

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2016年 2月29日

味覚について(前編)

味覚はどこで感じると思いますか?舌です。舌を鏡で見るとぶつぶつがたくさんあるのが分かると思います。味覚は5つの種類に分けられます。甘味、苦味、酸味、塩味、旨味があります。こぶ茶を飲むと唾液が出るような感じがあると思います。これが旨味です。(アミノ酸の旨味です。)最近はこの五味に加えて脂味というのが入ってきて、アメリカの大学では六味と言われるようになってきたようです。

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味覚について(後編)

最近、料理の味が分からない、なんか味がうすい、と感じる方は味覚障害の可能性があります。舌にはぶつぶつがあり、これを乳頭と言います。乳頭は高齢になるにつれて数が減って、味が分からなくなってくる場合があります。また、味覚障害は亜鉛不足が原因となることがあります。亜鉛は牡蠣などに多く含まれますね。その他、タバコの吸い過ぎ、ドライマウス、お酒の飲み過ぎ、ファーストフードをよく食べる方、などは味覚障害になりやすいのでご注意ください。それからストレスも原因の一つになります。少し食べ物の味が薄いな、と感じたら歯科医院に相談してみてください。

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お口の中に出来るガンのこと(前編)

みなさん、お口の中にガンなんてできるのかと思うかもしれませんが、日本における口腔癌罹患率はガン全体の2%に過ぎませんが白血病を上回っています。あまり認知されていないガンです。発見が遅れると命を落とすこともあります。お口の中の荒れ、痛みをすべて口内炎と思っていませんか?よくできるところは、舌の横、ほっぺたの裏、上あご、唇、歯茎、舌の裏側、などで、赤いただれや白い口内炎のようなものがあった場合はすぐに歯科医院で診てもらってください。痛みがなく無痛性で進行する場合があります。痛くないから大丈夫だろうと思われがちですが、少しおかしいなと思ったらすぐに歯科医院に行かれて下さい。

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お口の中に出来るガンのこと(後編)

口腔癌は原発巣(げんぱつそう)にならない、元々お口の中から発生することが少なく、どこかから飛んできていることもあります。症状としては、粘膜が赤い、白い、しこりや腫れがある、ほっぺたや舌が動かしずらい、しゃべりずらい、抜歯後の治りが悪い、口内炎が治らない方、は注意してください。通常、口内炎の場合、原因を取り除けば7日~10日で治ります。口腔癌のリスクが高い方は、タバコやお酒を大量に飲む方、虫歯や歯が抜けたまま放置している方、合っていない入れ歯や銀歯が入っている方、口内炎になりやすい方、お口の中を不潔にしている方、などは十分ご注意ください。

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定期健診の重要性(虫歯と歯周病とブラキシズム)

近年、虫歯や歯周病のメカニズムはほぼ解明されてきています。 歯科医院で定期健診やクリーニングを受けて、家庭できちんと予防しておけば発生や再発を防 ぐことができると分かってきています。 一方でブラキシズム(歯ぎしり)による歯の破折などは予防することが困難です。 10年の間でなくなる歯の本数というのが分かってきています。 歯科医院で定期健診を受けている方は0.8本、定期健診を受けていない方は2本が10年で減ると 言われています。 虫歯や歯周病は定期健診で防げますので、是非歯科医院で定期健診を受けて下さい。

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2016年 1月26日

インプラントと天然の歯の違い

天然の歯は骨と歯の間に歯根膜というクッションの役割をする膜があるということを前回お伝えしました。インプラントというのは直接骨の中に埋めていきます。インプラントの素材はチタンまたはチタンの表面の上にハイドロキシアパタイトというものを散らしてあるところもあります。そしてチタンと骨との癒着を待ちます、これをオステオインテグレーションと言います。天然の歯とインプラントの違いは、インプラントは直接骨に付き、天然の歯は骨と歯の間に歯根膜があるということです。ということはもし歯磨きが悪ければどちらの方が直接的に影響を受けるかと言いますとインプラントです。インプラントはしっかりくっついているようで脆いです。インプラントが抜ける原因となるのはまず喫煙です。毛細血管への血流が遮断されますので抜けやすくなります。それから糖尿病です。糖尿病の場合は歯周病にかかりやすい状況になっていますので、歯周病菌が歯周ポケットの中から進行していきますのでご注意ください。それからもうひとつ、がんの放射線治療なされた方です。下の顎に放射線が溜まりやすいという傾向がありますのでご注意ください。

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電動歯ブラシ(音波ブラシ)について

音波ブラシは音の波長と同じ振動をする電動歯ブラシです。安いのを使っている方もいらっしゃると思いますが、しっかりしたものを使わないと磨き残しが普段の歯ブラシを使うよりも残ってしまうこともありますのでご注意ください。食器洗い機は中から水が出て、音波と水の力で汚れを取ります。歯ブラシも同じように音波の力によって液体流動力というものが働いてしっかり取れるんです。手で磨くときの圧力は200g~300gぐらいかかるのですが、ソニッケアという音波ブラシの場合には70g~100g程度で歯の面を傷つけずにしっかりと汚れ(ステイン)を取ることができます。舌で歯の面を触るとツルツルになっているのが実感できると思います。今、使いやすいタイプも出てまして、歯科医院でもお安くお求めいただけますので是非歯科医院でもお聞きになってください。

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歯ブラシをどのように選んでますか?(1)

歯ブラシを購入する際には

  • 毛のタイプ
  • ヘッドと言って毛の埋めてある所の大きさ
  • 持ち手の持ちやすさ

まずこれを考えて下さい。歯茎が薄い方、厚い方それぞれですので、そういった点を見極めて歯ブラシを選ぶことが必要です。また歯磨きをする方の性格、生活状態を考えないと間違った歯ブラシで歯茎を痛めてしまうことがありますので知っておいてください。男性で力のある方は毛の硬いのを好まれる方もいますが、なるべく硬いものを控えられてください。利き手が右手の方で左側の歯茎が傷ついている方もいらっしゃいますのでご注意ください。歯科医院では歯科衛生士またはドクターが、歯ブラシ選びの相談もお受け致しますので是非聞いてみて下さい。

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歯ブラシをどのように選んでますか?(2)

今回も歯ブラシの選び方についてお話致します。歯ブラシの毛先には、毛のタイプが丸いもの、細いものがあります。歯周病が酷い方、初期の症状から出血が起こりやすくなっています。タバコを吸う方は出血の傾向は中度から重度になってから初めて出てきます。歯周病、出血のある方は歯茎が弱ってますので、毛の細いタイプを使って軽くブラッシングしください。歯と歯茎の間の歯周ポケットに届きやすいです。ただ毛が細いので清掃効率(磨く効率)があまり良くないので、時間をかけてブラッシングをしてください。毛先が丸いタイプは歯茎がしっかりしていて清掃性が高い方におすすめです。歯茎の状態によっては硬めはあまり良くないので知っておいてください。年齢によっても使い分けも必要です。高齢者の方や手に麻痺がある方はヘッドの部分が大きいものをご利用ください。そうすることでしっかりとブラッシングができます。

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歯ぎしりについて

以前にも少しお話しましたが今回は歯ぎしりについてお話致します。歯ぎしり、食いしばり、噛みしめのことを専門用語でブラキシズムと言います。これがどうして問題なのかと言いますと、歯や歯肉、歯槽骨とその周囲に様々な影響を及ぼします。歯や周囲の骨などが受け止める噛む力は強い人で70kg~120kgぐらいかかっていると言われています。それだけ歯ぎしりというのは力が強いです。歯が磨り減るだけでなく、歯の根元の歯の質がなくなって染みてきたりします。神経の治療をされている方の場合、歯が割れる確率が高くなります。虫歯ではないのに歯の根っこの先に膿が溜まって神経が死んでしまう場合もあります。また歯ぎしりによって詰め物が外れやすくなる場合もあります。

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